誰かが不幸になる「人事」はもうやめよう (6/7ページ)
――「ヒューマン・コア」と「マインド」のお話が興味深かったです。人の行動における両者の関係について、詳しくお聞きできればと思います。
須古:まず人には内面と外面がありますよね。外面は他人から見えるもので、行動とか知識とかスキルとかです。内面は、他人から見えないもので、性格特性と動機、そして意識・意欲心構えなどのマインドです。本書では、この性格特性と動機を特に「ヒューマン・コア」と呼び、行動の根源的な土台であるとしています。
「ヒューマン・コア」は若年期に形成され、一生涯を通して容易には変容しません。言い換えるならその人の「本性」と言えるものです。もちろん人の本性に優劣はなくて、すべて尊重されるべきものですが、ただ、企業の求める人財要件に対する適合性は確認しなければならないんです。
――これに対して「マインド」はどのようなものなのでしょうか。
須古:たとえば「ヒューマン・コア」がせっかちだという人がいたとして、そういう人だから仕事で「うっかりミス」が多いと。こうしたミスを減らすために本人が考えて、上長に確認してもらう回数を増やしたり、落ち着いて行動しようと心がける。つまり、心がけによって行動をコントロールしようとするわけです。この心がけの部分が「マインド」です。
「ヒューマン・コア」が変わりにくいのに対して、「マインド」は心構えや心がけですから、変わりやすい。言い換えるなら、継続しにくいんです。
では、どういうことが起きるかというと、その人の本性である「ヒューマン・コア」と、職場で求められる行動との間にギャップがあればあるほど、「マインド」で埋めないといけない部分が大きくなりますから、本人は無理をすることになる。だから、「もう続けられない」ということで辞めてしまったりします。つまり、企業が見るべきは人の「マインド」ではなく「ヒューマン・コア」の方なんです。
――「ヒューマン・コア」のところで自社が求めている人財像との適合性があれば、こうしたミスマッチは起こりにくくなるわけですね。