引き裂かれた姉弟愛…。飛鳥時代に生きた姉・大伯皇女と弟・大津皇子の悲劇 【その3】 (3/6ページ)

Japaaan

鵜野皇后(うのこうごう/持統天皇)ならずとも、大津のこの行動には、誰もが懐疑の目を向けたのは仕方がないことでした。

大津皇子の逮捕と無念の自死

大津皇子に素早く「死」を命じた持統天皇(写真:wikipedia)

大和に戻った大津皇子は、即座に逮捕されます。同時に、連座者30余人も捕えられました。

この事態に対して、鵜野皇后は即座に大津に「死」を命じました。大津は捕えられた翌日、24歳という若さで自決して果てたのです。

「百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ」(万葉集 巻3-416)

(訳:磐余の池に鳴いている鴨を見るのも今日限りと、私は雲の彼方に去っていくのだろうか)

大津皇子が死を賜った時、涙を流しながら詠んだという歌です。豪胆といわれた大津皇子が涙を流した理由……
志なかばにこの世を去らねばならないという無念さゆえでしょう。

池を泳ぐ鴨を眺めるのも最期……と。

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