加齢による認知機能低下と腸内細菌に関連性。若者の便を移植するという未来が来るかもしれない(英・伊研究) (2/4ページ)
それとは反対に、腸内細菌によって作られた代謝物が脳にたどり着き、神経血管疾患を悪化させることも分かっている。

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・老いたマウスのフンを若いマウスに移植する実験
イギリスとイタリアの共同グループによる今回の研究では、老いたマウスの腸内細菌を若いマウスに移植するという実験が行われた。
仮に、腸内細菌が加齢にともなう認知能力の変化に関係しているのならば、老いたマウスのフンを移植された若いマウスの認知機能が変化することになる。
実験では、抗生物質を投与して腸内細菌を除去した生後3か月の若いマウスに、24か月のマウスから集めたフンを移植。それから代謝・認知・行動に関するテストを行い、その影響を評価した。
・フンを移植された若いマウスの認知機能が低下
すると探索行動や自発運動、不安を示す指標には特に変化がなかったが、迷路を利用したテストの結果から、「記憶力」と「空間学習力」の低下がうかがえたという。
また便微生物移植(糞便移植)によって、海馬におけるシナプス可塑性と神経伝達に関係する「タンパク質の発現」も変化したという。
海馬は記憶や学習だけでなく、空間移動、情動行動、気分といったさまざまな機能に関係している。老化にともなう記憶力と空間学習力の低下が、海馬の機能低下と関係していることも過去に指摘されてきた。
そんな海馬にとって重要なタンパク質の発現が、便微生物移植によって変化したのだ。
「要するに、認知機能という点において、若いマウスの行動が老いたマウスに似てしまったということです」と、Vauzour氏は説明する。