政略結婚にも愛はあった。武田家滅亡に殉じた悲劇のヒロイン・北条夫人【上】 (6/6ページ)
(これが実現すれば、わしは父が川中島で五度も戦いながら、ついぞ下し得なかった上杉家を従える偉業をなしとげ、口うるさい家老どもを黙らせることが出来る!)
「……よし、喜平次(景勝)殿にお味方致そう!」
「ええぇっ!?」
勝頼の決断に驚いた北条夫人は、必死になって再考を求めるも馬耳東風。後年「御館(おたて)の乱」と呼ばれる上杉家の家督争いは、景勝が制することとなり、敗れた景虎は自刃(切腹)に追い込まれてしまったのでした。
「あぁ……兄上を見殺しにされるなどと、あんまりなお仕打ち……」
「……許せ。これも武田家のためなのじゃ……」
勝頼はそう思っていたでしょうが、この決断が最終的には武田家を滅亡に追い込んでしまうことになります。
【続く】
※参考文献:
瀧澤中『「戦国大名」失敗の研究』PHP文庫、2014年6月
丸島和洋『武田勝頼 試される戦国大名の「器量」』平凡社、2017年9月
平山優『武田氏滅亡』角川選書、2017年2月
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