菅総理が進める「電気料金1.6兆円上昇」「年金廃止」の地獄絵図【全文公開】 (2/4ページ)

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火力や原子力といった費用のかかる発電所を抱える各社はそれを維持することはできても、建て替えや新設は難しい、発電所が老朽化しては、電力の安定供給も怪しくなるとクレームをつけた。そこで編み出されたのが、先の「容量市場」なのである。

 経済産業省が主導し、電気料金の自由化のもと安定供給を維持する目的で認可された「電力広域的運営推進機関」という団体が実務を担当する形で「容量市場」が始まった。そして、先の1.6兆円が約定(売買成立)価格となったのだ。もとより発電各社への救済策のような制度であったが、価格決定の仕組みにも問題がある。電力広域的運営推進機関の説明によると、

〈発電事業者等は、電源等毎(計量単位毎)に、応札量と応札価格(円/kW)を決めて、応札します。応札価格を安価な順に並べた供給曲線と需要曲線との交点を含む応札の価格を約定価格とします〉

 と、なんとも難解な説明なのだが、経産省筋がわかりやすく言うと、こうなる。

「必要な需要量が満たされるまで安い順から電力を買っていくが、必要量が満たされた時点での応札価格が最終的な電力価格となる」

 要するに、大量の電力を供給でき、需要が満たせる大手電力会社が高値でなければ売らないと言い張れば、その価格に引っ張られて電気料金全体が高くなってしまう制度設計になっていたのである。

 発電各社が受け取る1.6兆円を支払うのは小売り電気事業者だ。梶山弘志経産相は「国民への追加的な負担を意味するものではない」と言うが、発電会社を持たない小売り電気事業者にはまったく恩恵がなく、一部の事業者からは値上げを検討せねばという声が上がっている。これが続けば、撤退もありうる。また、小売業者の撤退が続発すれば、低価格で電力が提供される仕組みそのものが破壊されてしまう。

 これでは、発電にかかる全ての経費を計上し、さらに余分な負担金なども入れて、赤字どころか、しっかりと利益まで確保していた従来の「総括原価方式」とさして変わらない。料金は大手電力会社の言いなりということになってしまう。かくして、電力自由化は骨抜きにされて、庶民は負担を強いられることになる。

 ところが、菅総理は見て見ぬ振りだ。

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