実はただの逆ギレ!?幼少期の徳川家康をいじめた怨みで切腹させられた孕石主水の言い分 (4/4ページ)

Japaaan

家忠と彦左衛門。Wikipediaより。

それでもこの件に関しては「どう見ても竹千代が悪い。少なくとも、改めるべき点はある」ような書き方をされており、主水に対してもう少し寛容さを示してもよかったのではないでしょうか。

余談ながら、孕石「主水」とは通称(官職名)であって、諱(いみな。本名)は孕石元泰(もとやす)と言い、元の字は義元の名前から拝領(偏諱)したもので、相応の実績と信頼関係が判ります。

とかく「幼少期の竹千代を理不尽にいじめ、因果応報な末路を辿った無能なザコ悪役」に描かれがちな孕石主水ですが、決してそんな事はなく(もしそうなら、武田家も受け入れなかったでしょう)、むしろ理不尽に殺された無念は察するに余りあるものです。

世の中「被害者ヅラしているヤツの方が、実は加害者だった」なんてのはよくある話で、最終的に成功したから家康(竹千代)の方が「善良な被害者(≒主人公)」に見られがちですが、むしろ主水の方がよほど気の毒だった、というエピソードでした。

※参考文献:
小井土繁と学習まんが集団 『少年少女 人物日本の歴史 徳川家康』小学館、1986年5月
大久保彦左衛門『現代語訳 三河物語』ちくま学芸文庫、2018年3月
盛本昌広『松平家忠日記』角川学芸出版、1999年3月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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