現地在住の投資家が明かす「フィリピン投資」の実態 その魅力はどこにある? (3/5ページ)

新刊JP

――それはどういうきっかけで?

町田:今までお話を聞いてくださって、「世の中、そんなに甘くない!!」と思いませんでした? まさにそれです。いざフィリピンに駐在したら、職場も住環境も劣悪で。駐在先も首都のマニラではなくカランバ市という街だったんです。

ただ、それはもともと聞いていたことで、下見もしていたので、それを承知で行ったのですが、日系企業が多い街とはいえ、治安が悪すぎて日本人はみんな他の街に住んでいました。そのエリアで住んでいた日本人はおそらく僕らくらいだったでしょうね。高級レジデンスの夢はあっけなく破れ、すきま風と蟻が入ってくるような家に住むことを余儀なくされ、自動車も社用車が1台、しかも他の人とシェアするという環境で移動もままならない状況でした。雨が降れば、インターネットも止まります。日本では、信じられないですよね?

そこで3年くらい生活していたのですが、住環境のストレスはまだまし。
一番厳しかったのが、会社のブラック企業ぶりでした。そもそも、私、国際総合学類出身の文系卒なのですが、任された仕事が建築現場の現場監督や、病院の新規事業立ち上げ等。おかげでいろいろ鍛えられましたが、前提知識がないままフィリピン人の部下を抱えて、取り組みましたが、当然、なかなか結果が出ません。

当時の日本人上司たちは、「叱る=愛」と認識していたのか、毎日出社をしては会議室に呼ばれて、朝数時間のお説教。仕事の良し悪しにとどまらず、私の人格を毎日否定され続けました。徹夜で仕上げたレポートを目の前で破かれたり。できないのは自分の能力が足りないからと最初は努力を重ねましたが、何度も「お前は役立たずだ」「何もできない」「脳みそついてるのか」と毎日怒られ続け、常におびえたように人の目を伺い生活するようになりました。

――会社を辞めようとは思わなかったんですか?

町田:入社して半年で辞めようと思いました。でも、収入の柱が「お給料」の一つしかなかったので、辞めるに辞められませんでした。お給料も、家も、海外では働く就労ビザも、すで、その駐在先の会社に依存していたため、辞めたらすべてを失ってしまう。

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