「巨人の敗因は?セ・パ両リーグの“環境の違い”も」達川光男インタビュー (3/6ページ)
象徴的だったのが、8月9日の阪神戦で大量リードを許した8回裏、野手の増田大輝を登板させたこと。これには賛否両論あったけど、少なくとも“昭和の野球”をしていた頃には考えられなかったことだよ。
それでも、巨人がペナントレースで1つ多く勝つどころか、圧勝した一因には、戦力だけではなく、監督の差があったと思う。広島とヤクルトが1年生監督、中日と阪神が2年生監督、そして横浜のラミレス監督でも5年目。それに対して、通算14年目を迎えた原監督は、過去にリーグ優勝8回、日本一3回。9月11日には、あの川上哲治さんを抜いて、監督として球団歴代1位の勝利数を記録している。捨てゲームしかり、若手選手の積極的な起用しかり、チーム状況に応じた、全権監督ならではのシーズン途中の選手の獲得や放出しかり……。言ってみれば、他の5球団の監督にはない、百戦錬磨の経験に裏づけられた“集中力の中の余裕”があったよ。ペナントレースで勝ち負けに集中するのは当然なんだけど、原監督だけは、その中で余裕を持ちながら、いろいろな判断を下していたんじゃないかな。
■MVPの栗原は“絶好調男”!
――しかし、巨人は前年同様、日本シリーズに進出したものの、ソフトバンク相手に屈辱の4連敗。最大の敗因は何だと思いますか?
達川 極論を言えば、第1戦の2回表、先発の菅野智之が5番の栗原からツーランを打たれたことで決まってしまったよ。1回表に3番の柳田をスライダーで三振に打ち取って、三者凡退で終わったときは、「ソフトバンクは簡単に点が取れないな……」と思ったんだけどね。でも、栗原に対しては、ツーボールからの3球目のスライダーが甘く入って、打たれてしまった。菅野ほどのピッチャーになれば、日本シリーズで緊張するなんてことは、まずないだろう。