命令に従うことで、他人の痛みに鈍感になり責任を感じなくなる。脳の分析で明らかに(オランダ研究) (1/3ページ)
命令に従うことで他人の痛みに鈍感になる可能性 / Pixabay
権威者からの命令がありさえすれば、共感力が薄れ、他人が苦しむことになってもそれをやってのける。そんな闇が人間の心には潜んでいるようだ。
1963年に行われた「ミルグラム実験」は、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したもので、50年以上に渡り何度も再現できた社会心理学を代表する模範的なものだが、オランダで行われた最新研究では、そんな私たちの心の闇が脳レベルで確認されている。
・脳領域の活動をMRIで分析
オランダ神経科学研究所のエミリー・キャスパー氏らは、ごく普通の人であっても命令されると他人を傷つけてしまうのは、他人の苦痛を認識している脳領域の活動が低下するからではないかと考えた。
そこで40名の参加者(平均25歳)にペアを組んでもらい、それぞれに「実行者」と「犠牲者」の役を割り当てるという実験を行った。
ミルグラム実験と同じく、実行者は別室にいる犠牲者に軽い痛みを感じる(と伝えられている)電気ショックを与える。そして、これを行うたびに、実行者には報酬として0.05ユーロ(6円)が支払われる。
重要なのは、実行者が「強制グループ」と「自由グループ」の2グループに分けられていたことだ。
「強制グループ」では研究者が同席しており、電気ショックを与えるかタイミングが指示される。もう一方の「自由グループ」では、開始前に電気ショックを与えるかどうか自分で決めていいと指示するだけで、研究者は同席しない。
そしてこの実験の間、実行者の脳活動がMRIで記録された。