駿河湾の絶景を横目に登る1159段 ちょっと大変かもだけど...久能山東照宮にはそれ以上の価値がある (4/4ページ)
恥ずかしながら無知蒙昧な記者は、「何ですか?それ」と聞くしかなかった。
「家康公の愛刀として有名な日本刀で、当宮が所蔵しております。
平安時代後期から鎌倉時代に作られたとされる名刀で、正式名称『革柄蠟色鞘刀無銘(伝三池光世作) 』として、国の重要文化財に指定されています。
昨今の刀剣ブームのおかげで大変な人気でして、公開期間は限られているのですが、熱心なファンが大勢来られるのです」
この刀は、筑後国(現在の福岡県北部)の刀工「三池典太光世」の作とされる太刀で、征夷大将軍・坂上田村麻呂が佩用した「楚葉矢(そはや)の剣」を写したものとされていて、「ソハヤノツルキ ウツスナリ」の切付銘がある。
人気オンラインゲーム「刀剣乱舞」の中では、不思議な霊力を持つキャラクター(刀剣男士)として登場するようだ。

4月6日まで開催中「徳川慶喜展」展示、徳川慶喜公所用「卯花威(うのはなおどし)胴丸」 「国宝 久能山東照宮」公式(@kunozan_toshogu)のツイートより
NHK大河ドラマ「青天を衝け」に登場する徳川慶喜公のお宝も所蔵されているのですか? と聞くと、担当者は待ってましたとばかり、こう話した。
「今まさに、『徳川慶喜展』を開催中です。15代将軍慶喜公ゆかりの資料を、德川記念財団所蔵品を織り交ぜながら年代別に展示しています。草彅剛さんが演じる慶喜公もお召しになっていた陣笠は、同じ形の資料がご覧いただけます」
「大政奉還の後、長くお住いになった地である静岡の人々から『けいきさん』『けいき様』と親しまれた、慶喜公のお人柄や意外な一面、魅力に触れることができる機会かと思います。期間は、4月6日までです」
大河ドラマといえば、前回の「麒麟が来る」最終回が不思議な終わり方でしたね、という余談になった。
「光秀=天海説ですか?当宮も天海僧正が造ったと言われていますが......」と担当者。「エッ、本当ですか?久能山東照宮も天海ですか!それでは、そちらにも桔梗紋とか、麒麟の意匠とか......、あったりしませんか?」
意気込む記者に、即座に「いえ、ございません」という返事が返ってきた。残念!
天海僧正が造営した伝えられる久能山東照宮、家康公の愛刀「ソハヤノツルキ」、最後の将軍・慶喜の甲冑や陣笠、そして駿河湾の絶景......。
ここには、1159段の階段を、「いちいちごくろーさん...」と、登ってみるだけの価値は十分ありそうだ。