尊皇攘夷の志半ばに…誤解が生んだ幕末4志士の悲劇「四ツ塚様」事件【下】 (5/6ページ)
「死んで済むなら、地獄は要らねぇんだよ!」
「そうだそうだ!八つ裂きだヒャッハー!」
農民たちは引き渡された4人の死体をズタズタに切り裂き、気が済むまで凌辱の限りを尽くした挙げ句、河原に投げ捨てて犬やカラスの食い荒らすままとしたそうです。
千屋の遺書も武藤らによって握りつぶされ、事件は闇に葬り去られるかと思いましたが、そんなこともあろうかと、千屋は遺書をもう一通用意していたのでした。
「これを、安東殿へ届けてくれ……」
「はい」
先刻受け取った金子(きんす)を握らせ、宿の使用人によって安東正虎に遺書が届けられます。
「あの時、わしが在宅しておれば、むざむざ尊皇護国の志士を喪わずに済んだものを……!」
事実が明るみに出ると、近郷じゅうの村々から非難の声が沸き起こりました。
♪西に百々の酒屋がなけりゃ 若い侍殺しゃせぬ……♪