おったまげ!日本の近代化に挑戦した幕末の天才奇人・佐久間象山かく語りき (3/5ページ)
日本が欧米列強の植民地にされないためには、どうあっても鋳鉄製の大砲を造らねばならない……象山に課せられた使命は重大でした。
未熟な技術と限られた予算の中、日本最高峰の頭脳(自称)をもって創意工夫の限りを尽くし、満を持して完成させた日本で初めての西洋式大砲。さっそく試し撃ちに臨みます。
役人たちもおったまげた?象山先生かく語りき……が、結果は大失敗。鋳込みの精度にまだムラがあり、砲身が火薬の爆力に耐えきれず、破裂してしまったのです。
「ゴホッゴホッ……」
松前藩の役人たちはもちろん、見物に押し寄せた観衆たちの面前で、象山は大恥をかいてしまいます。
大玉池(おおたまげ) 砲(つつ)を二つに 佐久間修理(しゅり)
この面目を なんと象山【意訳】これはおったまげた!大砲を真っ二つに裂いてしまって修理のしようもない。