おったまげ!日本の近代化に挑戦した幕末の天才奇人・佐久間象山かく語りき (4/5ページ)
丸つぶれな面目を、何としようものだろうか……
大玉池とは象山の住まいがある「お玉が池」を「おったまげ」にかけ、砲(つつ)を「つ」と「つ」の「二つ(つ×2)」に裂いてしまったことにかけています。修理(修理大夫)とは象山の受領名(非公式の官職)です。
「「「どわっはっはっはっは……!」」」
日ごろ頭の良さをひけらかし、威張り散らしていた象山の大失敗……彼を快く思わない者たちは、ここぞとばかり大笑いしたものですが、今回のスポンサーとなっていた松前藩としては、笑いごとではありません。
「何じゃ、あれだけ大口を叩いておきながらこの不始末……覚悟は出来ておろうな!」
カンカンに怒り狂う役人たちを前に、言うも言ったり象山先生。弁解をするどころか、逆に役人たちをりつけます。
「バカモノ!これは失敗ではなく『成功への過程』だと言うことが解らんのか!どんな事業であっても試行錯誤を繰り返しながら方針を修整し、課題を乗り越えて成功へと至るのだ!」
そりゃ確かに正論ですが……やらかしてしまった張本人が言うのはさすがにどうかと思うし、今回の損失は金額も金額です。
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