弘兼憲史×池上彰「オトナの人生相談」(2)「第2の人生」への踏み出し方 (2/2ページ)

Asagei Biz

ストーリー漫画を描くのなら、辞めるしかなかったんです。まだ独身でしたから、何の躊躇もなかったです。

─現在、池上さんはテレビ出演や執筆のほか、いくつかの大学で講義をされていますよね。

池上 はい。今、東京工業大学、名城大学、愛知学院大学など9つの大学で授業を持っています。信州大学は集中講義ですから、5日間毎日90分の授業を3コマ、計15コマあり、試験をやって、採点もしています。

弘兼 それはすごい。僕も以前、広島大学や山口大学などで講義をしたことがあります。地方の場合だと、移動時間なども考えると、きつくないですか。そこまでして、教壇に立つことにこだわる理由は何でしょう。

池上 いい質問です(笑)。60歳の還暦を迎えた時に、ここまで来られたのは親のおかげもあるけれど、高等教育を受けさせてくれた日本社会のおかげだと思ったんです。これから先の「第2の人生」は、世の中に恩返しをしなくてはいけない。私に何ができるかといったら、持っている知識を伝えるしかない。そう思っていた矢先に、たまたま東京工業大学から「先生になりませんか」とお話を受けたんです。

弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年に「風薫る」で漫画家デビュー。84年に「人間交差点」で小学館漫画賞を受賞。91年「課長島耕作」で講談社漫画賞、講談社漫画賞特別賞、00年「黄昏流星群」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、03年日本漫画家協会賞大賞を受賞。07年には紫綬褒章を受章。「男子の作法」(SBクリエイティブ)など著書多数。

池上彰(いけがみ・あきら)1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部でさまざまな事件を担当。94年より11年間、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。05年にNHKを退社、フリージャーナリストとして多方面で活躍。16年4月から名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、関西学院大学、日本大学、順天堂大学、東京大学などでも講義する。「伝える力」シリーズ(PHP新書)、「私たちはどう働くべきか」(徳間書店)など著書多数。

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