米津玄師「死神」の元ネタになっている落語の「死神」ってどんな話し? (7/7ページ)
また、噺家(はなしか)によっては男が助かったり、あるいはせっかく助かったのにうっかり自分で火を消してしまったり、などなど色々なバリエーションがあるので、聞き比べてみると楽しいでしょう。
筆者は子供のころ、五代目・三遊亭圓楽(さんゆうてい えんらく)師匠の死神が好きで、録音してもらったカセットテープを何度も何度も、それこそテープが伸びるまで聞いたものでした。
「……おぃ、ふゅりぇえてると、きぇえりゅよ……」
落語に興味のない知人からは「ストーリーは同じなのに、何で何度も聞き返すんだ?」と訊かれますが、同じ噺家さんでも日によってその場の空気が違いますし、仮にテープレコーダーであっても、聞いているこちらの気分やコンディションが違いますから、やはり聞く都度の新鮮味、面白味があるものです。
もしよかったら、「死神」に限らず他の落語も色々聞いてみて欲しいと思います。
※参考文献:
河合昌次『読んで味わう古典落語の傑作101噺と見て愉しむ江戸の暮らし』ユーキャン。2015年3月
西本晃二『落語『死神』の世界』青蛙房、2002年12月
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