透ける小物を描くことで浮世絵師・喜多川歌麿が高めた浮世絵の表現力と芸術的価値 (2/5ページ)

Japaaan

櫛の透明感のある美しさを満足気に楽しんでいるようでもあり、櫛の歯を弾く音が聞こえてきそうです。

ちなみに女性が髪につけている簪や笄も、背後の髪の毛が透けて見えるので、鼈甲でしょう。

櫛を持つ女(髪部分) 画:喜多川歌麿 出典:シカゴ美術館

櫛を持つ女(髪部分) 画:喜多川歌麿 出典:シカゴ美術館

この女性の髪型は“燈籠鬢勝山”といいます。毛の一本一本が透けて見えそうなことから“燈籠鬢”と呼ばれました。

顔の両側に張っている鬢(びん)の部分に‘鯨のヒゲ’を熱して曲げて作った“鬢張り”を入れて、鬢に張りをだしているのですが、よく見ると鬢の一番張った部分にその鬢張りが入っているのが、縦にスッと一筋の線を描くことで表現されているのが分かります。

喜多川歌麿は絵の中に透明に透けて見えるものが存在することによって生まれる“不思議な美しさ”を理解していたのでしょう。

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