恋人に逢おうと公務をサボった結果…『今昔物語集』より橘則光の武勇伝 (2/4ページ)

Japaaan

松明で夜道を照らす(イメージ)

よく時代劇で「月のない夜は、背中に気をつけるんだな……」なんて言う通り、手元の灯り(この頃なら紙燭や松明など)だけが頼りです。

普通なら牛車を仕立てて護衛つきでお出ましですが、何せ今回は公務をサボってのお忍びなので、人目につかぬようたった独りで夜道をゆきます。

「ん……?」

灯りもつけず、夜目を恃みに進んでいくと、前方からヒタヒタと足音が。複数名のようですが、向こうも灯りを持たぬところを見ると、十中八九まともな人種or動機ではありません。

(夜盗だと面倒だ……やり過ごそう)

しかし向こうは則光が単独と見るや徐々に距離を詰め、ついには取り囲んでしまいました。

「おい、命が惜しければ……」

身ぐるみ置いてけ、そんなありきたりなフレーズを聞き終える間もなく、則光は抜刀。

「邪魔だ……どけぇ……っ!」

せっかく恋人との逢瀬に、裸ではフラれてしまう。何よりこんなチンピラに構っているヒマはない。

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