「征夷大将軍の肩書きなどいらぬ」せっかくのポジションを無下にした源頼朝の真意とは? (5/5ページ)
義教が「くじ引き」で将軍になったことは有名な話ですが、彼も一応、征夷大将軍になりたい! と朝廷に申し出ています。
ところが朝廷は「髪が伸びていないと元服の儀式ができないから官職には就けないよ」と寝ぼけたことを言います。義教を含め、当時の将軍候補は頭を丸めるのが通例でした。
実際に組織のトップに立って今から政治を行おうとしている者にとっては、そんな儀式などどうでもいい話です。結局、義教は肩書のことはさておいて幕府のトップとしての仕事を始めてしまいます。
この頃になると、朝廷の権威というのは右肩下がりで、武士の権力の方がはるかに強かったという事情もあったと思われます。
当時の、このあたりの体制は想像以上にグダグダだったんだなあ、と感じるのは私だけではないでしょう。
ただ、このように「名実が伴わない」のは日本文化ではよくあることで、反対に肩書や名称が立派だとそれだけで偉く感じられるということもあります。これは、名付けられたものよりも名付けそのものに霊力があると感じる「言霊信仰」ゆえなのかも知れません。
参考資料
『日本史の法則』(河出書房新社・2021年) 東洋経済オンライン「源頼朝が征夷大将軍に実は大して関心なかった訳」日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan