【にじいろの食育スクール開催レポート第3弾】栄養学博士&保育士による一般向け第3回webセミナーを開催:「妊娠中の栄養って大切なの?」 (4/9ページ)
なぜ、このようなことが起こってしまったのでしょうか?
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母親のお腹の中で胎児が飢餓や低栄養にさらされたとき、胎児は外では飢餓が起きていると感じ環境に適応しようとするために自分のDNAスイッチを変化させます(図3)。例えば身長を伸ばさない、筋肉を増やさないようにしてエネルギー(カロリー)を無駄に消費しないようにします。これらは基礎代謝(人が生きていくために最低限必要なエネルギー)の減少につながる為、エネルギーを節約するのに有利です。また、余ったエネルギーで脂肪をためて、いつ飢餓が来ても耐えられるようにします。このように少ない食べ物でも生きていける、生存に有利な体質を得ます。しかし、生まれた後の環境が飽食の時代であった場合、予想していた環境とうまくかみ合っていないことになります。結果として他の人と同じように食事をしても、太りやすく生活習慣病になりやすい体質となってしまうわけです。
日本は先進国なので、飢餓とは無縁と思われるかもしれませんが、妊娠中のお母さんの食事を調査してみると、かなりのエネルギー摂取量が不足していることが報告されています。また、妊娠中のエネルギー摂取量が少ないと児の出生体重が低くなり、低出生体重児(出生体重が2,500g未満の児)の割合が高くなることも報告されています。このことはDOHaDの概念から考えると、将来の健康に影響を及ぼす可能性があります。
2019年の国の統計データでは、日本の低出生体重児出生数は10人に1人の割合でした(図4)。これは、他の先進国と比べても高い値であり、日本で大きな問題となっています。