背負うことをやめ、ありのままの自分でステージへーー。山村響、2年ぶりのワンマンライブ「town」ライブレポート (6/7ページ)

バリュープレス


「人前で歌うのがかなり久しぶりだったので、ステージで何のフィルターもなく自分を出すことをどうしていたか忘れてしまってて、正直、直前まで不安でした。声優としてステージに立つときはキャラクターを背負うことを第一にしてたんですけど、自分として立つときは何も背負わず、肩の力を抜いてありのままの歌が好きな自分を出そう、って思ったら少し気持ちが楽になって。お客さんの反応が見えないのもあって、最初はちょっと緊張してましたけど、拍手にこめてくださった気持ちを感じながらしっかり歌えたと思います」

 蛇足になるがひとつ書いておきたい。この記事は僕が書いたレビュー(https://ototoy.jp/feature/2021092202)を気に入ってくれた山村個人の依頼で執筆したものだ。そのためのやりとりを9月から何度も重ねてきたが、お母さんが亡くなったことは知らされなかったし、初仕事なのだから当たり前かもしれないが、様子がおかしいと感じることもなかった。ただでさえ多忙な上に、大変な時期に細かい確認で面倒をかけてしまった。僕も経験があるが、近親者を亡くした直後の感情は筆舌に尽くせないものだ。それをおくびにも出さず、一貫して礼儀正しく丁寧に対応してくれた山村響という人に、心からの感謝と敬意を。
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