「最後の乗客になった私に、路線バスの運転手が『後ろにおいで』。運転席のすぐそばに呼ばれて...」(北海道・50代女性) (1/3ページ)
地元の人との思いがけない交流も、旅先での楽しみのひとつだ。
そこで親切にされた思い出は、一生かけがえのないものとして記憶に残ることだろう。
北海道在住の読者、Kさん(50代女性)から編集部に届いたのは、そんな旅先での心温まるエピソードだ。
一人旅で、立ち寄った岡山県。途中で乗り込んだ路線バスで、最後の乗客となったKさんに運転手が声をかけてきた。
「お客さん、後ろにおいで」
言われた通りに運転席のすぐ後ろに座ると、運転手は岡山の名産や観光スポットなどを色々教えてくれたという。その後、目的の停留所につき、バスを降りたKさん。しかし、その運転手とのエピソードはここで終わりではなくて......。
Kさんの心に残る「運転手さんの優しさ」を皆さんにも体験していただこう。
突然思い立ち、岡山へもう 30年近くも前の事です。
結婚が決まって退職し、少し自分の時間が出来た私は、急に京都への一人旅を思い立ちました。何の計画も持たず、その日の気分で行く先を決めるという気ままで呑気な楽しい毎日でした。
京都での3日目の朝。
突然の思いつきで、私は新幹線で岡山に向かい、好きだった竹久夢二の美術館へ。
そこで、夢二の生家が現存し、公開されていることを知り、路線バスを調べて乗り込みました。
数名の乗客がいましたが、市街地を離れるに従い、だんだんと減っていき、やがて私1人に。