「原付で転び、道路に倒れたまま流血。後ろから来た車は、見て見ぬふりで私を避けていき...」(愛知県・40代女性) (2/3ページ)
私は顔や腕から血を流しながら、道路端の原付の近くに座り込みました。
「この怪我では運転して帰れないし、頼れる人もいないし、どうしよう......」
途方に暮れながら、目の前を走り去って行く車を何台もボーっと見ていることしかできませんでした。
「ここに座ってるの危ない、少し待っててください」しばらく膝を抱えて座り込んでいると、やがて作業着を着て自転車に乗った20~30代くらいの東南アジア系の男性が通りがかりました。
「あなたどうしたの! ケガ!? 転んだ? 車ぶつかった? 痛い? だいじょうぶ!?」「あなたケガ!だいじょうぶ?」
彼はそう言って、私の顔、私の目をしっかりと見てとても心配してくれました。
私は彼に「原付で転んでしまいました」と事情を話すなり、涙があふれて止まらなくなりました。
「だいじょうぶ! ここに座ってるの危ない、少し待っててください」
彼は私にそう告げると、道路沿いにあった洋服店に助けを求めてくれ、そのお店の方が救急車を呼んでくれました。

救急車が到着した時も彼は、車に乗り込んだ私に、
「救急車のお金ありますか? 病院のお金ありますか? 私あなたにお金あげます」
と声をかけ、財布から千円札を数枚出してお金を渡そうとしてくれたのです。
私は「だいじょうぶです。ありがとうございます。お金はあります」と答えて、病院に向かいました。
「どうかたくさんの手が差しのべられるように」病院に運ばれ、無事に治療を終えた後に、ようやく彼の名前も連絡先も聞いていない事に気付きました。