酒席の約束は信じるな!酔った弾みで口約束…藤原道長に振り回された平安貴族・藤原実資 (3/5ページ)
で、そんな保重が任じられる近衛府生、すなわち府生(ふしょう。史生)とは四等官(しとうかん。官公庁のトップ4)のすぐ下に位置する書記官。
つまり組織のナンバー5。番長からは相当な出世となり、道長の機嫌がよほどよかったことが察せられます。
「真にございますか……ありがたき仕合せ!」
思わぬ部下の出世に喜んだ実資でしたが、ここに律令制度の問題が浮上しました。
興言など真に受けて……道長、アッサリ前言撤回実は当時、官人の昇進については本人の事前申請が原則となっており、保重はかつて府生への昇進希望を出したことがありません。
(そりゃそうでしょう。誰が番長からいきなり府生への昇進など希望するでしょうか。思いつきさえしなかったはずです)
まして保重はその時点で伊予国(現:愛媛県)へ赴任しており、京都での官職を果たすことなどできないでしょう。
とは言っても、この又とない機会をふいにしたくない実資は、何とかならないものかと道長の息子で摂政の藤原頼通(よりみち)に相談。しかし「前例がない」と一蹴されてしまいました。