うつ病治療の為、科学者が幻覚作用のない幻覚薬を開発している (2/4ページ)
・うつ病に効果があることが判明している幻覚剤
今回の研究における要と言えるのが、「5HT2A受容体」だ。
日の光を浴びると分泌される「セロトニン」という神経伝達物質は、気分を安定させ、平常心や安心感をもたらすなど、脳内で重要な役割を果たしている。
5HT2A受容体はこのセロトニンが働くための経路で、過去の研究では、うつ病・心的外傷後ストレス障害・不安症などの治療薬の標的として利用できるだろうことが示されてきた。
しかしLSDやシロシビンなど、5HT2A受容体に結合する薬物の多くは、幻覚を引き起こすことでも知られている。いくら抗うつ効果があっても、副作用として患者に幻覚を見せてしまうのでは治療薬として使えない。
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・幻覚を見せない幻覚薬の開発
今回、中国科学院をはじめとする研究グループが発見したのは、5HT2A受容体にははっきりと目立つ結合ポケットがあるということだ。
ある薬はそこに結合して幻覚を作り出す。しかし中にはわずかなポケットにしか結合せず、幻覚を作り出さない薬もあるようなのだ。
この発見やシロシビンに関する過去研究に基づいて開発されたのが、「IHCH-7113」という新薬である。患者に幻覚を見せることなくうつ病を治療できる、かねてから望まれていた治療薬の候補だ。
実験としてIHCH-7113をマウスに投与したところ、幻覚を見ている兆候である「頭をひねような仕草」をしないことが確認された。