恐怖は伝染する。友人が多いほど恐怖心が強くなることがお化け屋敷実験で明らかに (5/6ページ)
またお化け屋敷のスタッフは、どのグループに実験参加者が混ざっているのか知らされなかった。お化け屋敷終了後、参加者は実際に感じた恐怖を回答する。
この結果、恐怖反応を左右するのは、「友人の感情の伝染」「主観的な恐怖感」「恐怖の予測性」であることがわかった。
たとえば、まったく予想外の恐怖ほど、より大きな反応が返ってくる。中でも最後の脱獄では、最大級の恐怖反応が見られたという。
「この結果から、これが注目すべき研究であることがわかります。反応の速度・頻度・度合いなど、複数の皮膚コンダクタンス(伝導性)を計測したからです」とタシジアン氏は説明する。
「ほとんどの研究は、そのうちの1つしか調べておらず、そのせいで交感神経系のダイナミズムや体に影響する各種ファクターなどの理解は限定的なものでした」・恐怖は伝染する
注目すべきは、「グループ内にいる友人の人数」と「ストレス・恐怖反応」とに正の相関があったことだ。
グループ内に友人が多いほど、脅かされたときの反応が大きくなったのだ。これは友人から恐怖が伝染したからだと考えられている。友人の行動から何かを察して、恐怖反応が増幅されたのだ。
「友人が多いほど皮膚コンダクタンスが高まるという結果は、意外に思われるでしょう。これはリスク希薄化仮説とは矛盾します」とタシジアン氏。
リスクが希薄化されれば、恐怖反応は弱まるはずです。周囲に仲間がいれば、攻撃される可能性が下がりますから。
しかし集団には、他人を通じて、自分では確認できていない危険に気づかせるという機能もあります。
あなたが集団の中にいるとしましょう。その中の誰かが危険に気づいて逃げ出したとします。たとえあなたがその危険に気づいていなくても、おそらくあなたも逃げることでしょう。
その集団に知り合いが多ければ、より彼らの反応に影響されやすくなります。
このように恐怖もまた伝染するのかもしれません。