子宮頸がん検診を高精度に迅速化する病理AIの開発に成功 - Cancersに論文が掲載 (5/9ページ)

バリュープレス

さらに言えば、欧米諸国は80%以上の受診率とされ2)、それに比べると我が国の子宮頸がん検診への取り組みはまだまだ遅れています。

今後、国や医療施設が一丸となって、子宮頸がん検診の受診率を上げる取り組みが行われることでしょう。ただし、受診率が上がると、今度は別の問題が現れます。
それは、スクリーニングにおける「見逃し」や「過剰診断」の問題です。

子宮頸がん検診は、細胞検査士という資格を持った臨床検査技師が中心となって行う検査です。細胞検査士試験は難関として有名で、努力を重ねた技師だけが手にすることができる資格です。しかし、人が行う検査である以上、受診者数が増えればそれだけ現場の労力が増し、エラーも起こりやすくなります。まして、多数の正常細胞の中にまれに混在する(かもしれない)腫瘍細胞を探し出すというのは、精神論では克服できない(注意してがんばればよいという問題ではない)レベルの大変な仕事です。どんなに優れた人間であっても、ヒューマンエラーからは逃れられません。

ですから、エラーを可視化し、可能な限り減らし、あるいはエラーが起こってもすかさずリカバーするような取り組み(精度管理と言います)が必要になります。実際に、診療の現場ではさまざまな精度管理が行われています。

たとえば日本では、「10%ランダム再検査」と言って、技師が陰性(前がん病変なし)と判定した検体のうち10%を再検査して、見落としを防ぐシステムが導入されています。一方の米国では、なんと1996年の時点で機械による「自動スクリーニング支援システム」がFDA承認され、広く臨床応用されています。細胞の乗ったプレパラートを機械で写真撮影し、正常の細胞から「かけ離れた」細胞があればチェックする、という単純な仕組みですがその効果は高く、日本でも「10%ランダム再検査よりもエラーを発見しやすいのではないか」という報告がなされています2)。

ただし、杉山らの班会議報告2)によれば、本邦の検体を用いて機械でのチェックを試みたところ、「実測不能」のケースが18%近くあったとのことです。「機械に適した染色をしなければいけない」という、機械化ゆえの問題も指摘されています。

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