5年間、少女に無償でラーメンを食べさせてくれた店主へ25年後の恩返し (2/4ページ)
すると、少女の両親は5年前に仕事に出たまま、娘のもとに決して戻ることはなく、少女は祖父と2人きりで老朽化した家で住んでいるということだった。
学校から戻ると、少女は祖父の農作業を手伝い、毎晩自分が作る白い粥のみを食べるという貧しい生活をしていたようだ。
それでも、祖父からきちんと躾を受けているらしい少女の姿を思い浮かべ、ドンさんは胸が痛んだ。
そしてある日、再び少女に会ったドンさんは、「何かお返しをしなきゃと思うなら、毎日私に言葉を1つずつ教えておくれ。そうしたら、ラーメンが食べられるだろう?」と伝えた。
すると少女は、「じゃあ、2つ言葉を書いてもいい?」と聞いてきた。やさしい少女は、祖父にもラーメンを食べさせてあげたいと思ったのだろう。
それを悟ったドンさんは「もちろん、いいとも」と快諾し、少女と祖父の分のラーメンを与えた。
それから5年にわたり、ドンさんは少女に毎日ラーメンを無償で提供し続けた。
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・どこかの町へ引っ越していった少女
しかし、小学校卒業時期と同時に、少女の姿を見ることはなくなった。どうやら、遠い親戚が少女と祖父を別の街に引き取って行ったようだった。
それから、25年の歳月が流れた。
ドンさんは60歳をとうに超えたが、ずっとラーメン店の営業を続けていた。2度結婚したが離婚し、子宝には恵まれなかった。
そんなドンさんの心の中には、いつも25年前の少女の姿があった。
隣人たちは、年老いたドンさんに「店を閉めて隠居すればいい」とアドバイスしたが、ドンさんは、「もしかしたらいつの日か、あの時の少女が再び自分を訪ねて来てくれるかもしれない」という思いがあり、店を閉めることができなかった。