都育ちはダテじゃない!『新古今和歌集』に載った源頼朝の和歌を紹介【鎌倉殿の13人】 (2/5ページ)
道すがら 富士の煙も 分かざりき
晴るる間もなき 空の景色に※『新古今和歌集』巻第十 羇旅歌(975)
【意訳】道すがら、富士山の噴煙も分からないほど曇っていた。
……これは頼朝が上洛の途上(1度目か2度目か、行きか帰りかは不明)、富士山を眺めながら詠んだものとか。
せっかくの上洛、せっかくの絶景なのに青空に映える富士山が見られなくて残念……そんな頼朝の様子がシンプルに描かれています。
現代と異なり、当時の富士山は噴煙を上げているのが日常だったとか。富士山には冠雪と青空、そして噴煙がよく似合う……でしょうか。
見てみたい気もしますが、富士山噴火のリスクが高まっている昨今、ちょっと気が気じゃないですね。
腹を割って話してくれよ…頼朝から慈円へのメッセージみちのくの いはでしのぶは えぞ知らぬ
書き尽くしてよ 壺の石ぶみ※『新古今和歌集』巻第十八 雑歌下(1786)
【意訳】言いたいことはハッキリ言って頂かないとわかりません。壺の石ぶみのように、思うがまま書き尽くしてください。