「すごく耽美」「小説の舞台になりそう」 熊本の山奥にひっそり佇む「白昼夢のような館」の正体は... (3/4ページ)

Jタウンネット

その夢を実現したのが『森林館』です」(球磨村森林組合担当者)球泉洞入り口(写真はJタウンネット記者撮影)

「森林館」の総合プロデューサーを務めたのは、日本で行われたすべての万博に参画した環境デザイナー/プロデューサーの故・泉眞也氏。磨村森林組合が懇意にしていた故・森田稲子氏(日本の林業振興の第一人者、雑誌「日本の森林を考える」発行者)から紹介されたことがきっかけだった。

森林館が立つ場所を決めたのも、泉氏だ。当初は国道に面した山側の駐車場が候補地だったが、現地を見た泉氏が、こう言った。

「球磨川の流れを享受するのも森林館の役割です」
すべてのドームを見られる場所は、一か所だけ

そして選ばれたのが、球磨川を一望できる急な斜面。そこに作られる館の建築家に木島安史氏を推挙したのも泉氏だったという。

「木島先生は当時、小さいながらも秀逸な建築を手がけていた若手の建築家でした。現地を訪れた木島先生は、手帳をひろげ万年筆でスラスラとイメージをスケッチされました。みな、そのスケッチに魅了されました。そのスケッチが原型となり『森林館』が誕生しました」(球磨村森林組合担当者)

平地の少ない山村に、地盤の確かな急な斜面を利用して建てられた森林館は、「現代の清水の舞台ともいえる構造」であると担当者。深い谷底の美しい水の流れから高い山頂まで、一望に収めることができるという。

特徴的なドームは全部で7つ。しかし、互いに重なりあっているため、見る場所によって4つに見えたり、5つに見えたりする。すべてを見られる場所は1か所しかないという。これらは「周囲の山々のたたずまいをみださないよう、つつましく建っています」。

また、コンクリートの壁にはスギの年輪が刻まれ、床や窓には国産の木材がふんだんに使われている。縦長の窓から球磨川の流れから山の頂きを見ると「切り抜かれた水墨画に包まれるよう」な感覚を覚えるそうだ。

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