古代ローマ人はてんかん治療のために剣闘士の血を飲んでいた (2/6ページ)
剣闘士の血を飲んでてんかんを治すという異様な治療法は、エトルリア人の葬儀が起源だと指摘する学者もいる。
エトルリア人は、イタリア半島を縦断するアペニン山脈の南、テヴェレ川とアルノ川の間で勢力を持っていた古代人で、紀元前6世紀ごろに最盛期を迎えた。のちにイタリア半島を支配下においたローマ人は、このエトルリア人の文化を多く採用した。
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エトルリアの像「トーディのマルス」 / image credit:Jean-Pol GRANDMONT / CC BY-SA 3.0
西暦400年頃に剣闘士の戦いが禁止されたとき、てんかん治療効果があるとされる処刑されたばかりの人間の血に注目が集まるようになった。
古代ローマで、剣闘士の戦いが合法だったときは、死んだばかりの剣闘士の喉を描き切って、まだ温かい血を観衆に売るという習慣があった。
この血はそもそもは"魂を清める"と言われていたが、時がたつにつれて、特にてんかんなどの病気の治療薬として使われ始めたという。