黒死病の起源はどこか?700年前の謎を古代DNAで解き明かす (4/6ページ)
これらシーケンスを使って進化樹を作り、菌株同士の関係を明らかにして、チュイ渓谷の菌株と比較してみた。
進化樹から、チュイ渓谷の菌株は、わずかふたつの変異の違いで、黒死病の菌株とは違うことがわかった。
研究者は、墓石に刻まれた碑文から、チュイ渓谷の菌株の年代については把握していたため、チュイ渓谷の菌株は黒死病の菌株よりも古いことが確認でき、黒死病はチュイ渓谷の菌株から進化したに違いないという結論に達した。
さらに、進化樹からは、チュイ渓谷の株が世界中のほとんどの疫病の祖先であることもわかった。そして、この祖先の系統から、ペスト菌は突然、4つのおもな系統に枝分かれしたのだ。
研究者はこれを「ビッグバン」と呼ぶ。これまで、「ビッグバン」株がいつ、どこで発生したのかはわからなかったが、今回、チュイ渓谷とその周辺地域で発生した可能性を示す証拠を手に入れたのだ。
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ペストに続く社会的混乱と恐怖を描いたピーテル・ブリューゲル作『死の勝利』 / image credit:public domain/wikimedia・これで黒死病の起源の謎は解決したのか?
これで、黒死病の起源の謎は解決したのだろうか?
「そこまで拡大解釈するのには、非常に慎重になっています」と言うのは、カナダ、オンタリオ州マクマスター大学考古DNAセンター所長、ヘンドリック・ポイナー。