黒死病の起源はどこか?700年前の謎を古代DNAで解き明かす (1/6ページ)
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1346年から1353年にかけて、ユーラシア大陸とアフリカ大陸で、推定5000万人の死者を出した感染症「黒死病(腺ペスト)」だが、その起源はどこなのか?科学者や歴史家の間で700年近くも議論が続いていた。
いまだに毎年、数千人もの感染者が出ているこのペスト菌だが、その遺伝的先祖が墓地に埋葬されていた遺骨の歯のDNA分析により明らかとなったという。
『Nature』誌に発表された、新たな研究によると、黒死病の起源は中央アジア、現在のキルギス共和国にあるとする生物学的証拠が示された。
論文の共著者で、スコットランド、スターリング大学の歴史学者フィル・スラヴィンによると、さらに、キルギス共和国のある地域で発生したペストの菌株が、今日の世界で広まっている現代の感染症の菌株の大半を生み出したことがわかったという。
だが、多くの謎と同様、この問題もそう簡単には解決できないようだ。
・史上最悪のパンデミックを引き起こした黒死病
腺ペストの一種である「黒死病」は、いくつかあるペスト菌の系統のひとつだ。その恐ろしい名前の由来は、感染者は全身が壊疽し黒ずんで死ぬことからついた。
ペスト菌(Yersinia pestis)によって引き起こされ、発熱、リンパ節の腫れが特徴で、感染したノミを運ぶ齧歯類を媒介して蔓延する。