父母の大恩を教えそれに報いる孝の道を説く「仏説 父母恩重難報経」 (1/3ページ)

心に残る家族葬

父母の大恩を教えそれに報いる孝の道を説く「仏説 父母恩重難報経」

番通りならば墓には両親や祖父母が眠っている。お盆やお彼岸、命日といった日は、在りし日に思いを馳せ、改めて自分や子がなぜここにいるのかを考える日でもある。「仏説 父母恩重経」には親の広く深い慈悲が説かれている。

■父母恩重経とは

「父母恩重経」(ふぼおんじゅうきょう)。正式には「父母恩重大乗摩訶般若波羅蜜経」という。釈迦が親の大恩を教え、恩に報いる「孝」の道を説く仏典である。仏典には私たちは父母の愛の結晶として生を受け、育てられて今がある。その恩はあまりにも大きいと釈迦が説いている。釈迦は父母の恩は十種とし、ひとつひとつの詳細が説かれる。 この「十種の恩徳」は以下の通り。

■父母恩重経が説く父母の恩 十種の恩徳とは

1. 懐妊中10ヶ月の間、苦痛の休む時はないため、他に何も欲しがる心も生まれず、ただひたすら無事に産まれることを願い過ごした恩。
2.母は出産の苦しみに耐え、父も祖父母も心を痛めて母子の身を案じてくれた恩。
3. 産む苦しみも子が生まれれば、母はそれまでのすべての苦しみを忘れ、喜びに満ちてくれた恩。
4.数年の間に、花のように美しかった母の顔がすっかり憔悴しきってしまうほどに、乳
をやり育ててくれた恩
5. 冷たい夜も、寒い雪の朝も、乾いた場所は子に譲り、自分は湿った場所に寝てくれた恩
6.子が懐や衣服に糞尿をん漏らしても、自らの手に取って洗いすすいでくれた恩。
7. 子に食事を与えるとき、まず口に含み、不味いものは自分で食べ、美味しいものは子に食べさせてくれた恩。
8.子のためならば、やむを得ず悪事さえも働くことも厭わなかった恩。
9.子が遠くへ旅立ったとき、寝ても覚めても安否を気遣ってくれた恩。
10.自分が生きている間は、子の苦しみを一身に引き受けようとし、自分の死後も、あの世から子を護りたいと願ってくれた恩。

当たり前だと思って過ごしていた日々が、実は父母の広く深い慈愛の下にあったのだと感じ入る内容である。ひとつひとつの恩は確かにその通りであると思えるし、これに報いるために親孝行をするのは当然だと感じる。「恩」と「孝」の大切さを教えられる仏典である。

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