今から化石燃料の使用を止めても、グリーンランドでは27cm以上の海面上昇を避けられない (1/4ページ)
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仮にたった今、化石燃料の使用を止めたとしても、グリーンランドの氷が解けることによる海面の大幅な上昇はもう避けられないそうだ。
新たな研究によると、これまでにもう起きてしまった世界気温の上昇分だけでも、グリーンランドでは110兆トンの氷が解け、それだけで海面が27センチ上がるという。
しかもこれは最低限の見積りで、記録的な氷河融解が日常的に発生した場合、78センチの海面上昇をもたらす可能性があるとのこと。沿岸地域で暮らす大勢の人々は、温暖化による大きな危機に直面していると懸念されている。
研究グループによると、大幅な海面上昇が避けられないとはいえ、それでも地球温暖化対策を行う意味はあるという。このまま何もせず手をこまねいているよりは、被害を抑えることができるからだ。
・実際の観測データから今後失われる氷を予測
地球温暖化の研究では、しばしばコンピューターモデルで今後失われる氷が予測される。ところが現実世界はずっと複雑で、モデルによる予測結果は絶対確実なわけではない。
これに対し、『Nature Climate Change』(2022年8月29日付)に掲載された今回の研究では、2000年から2019年にかけてグリーンランドで実際に失われた氷を人工衛星で計測し、今後を予測した。
デンマーク・グリーンランド国立地質調査所(GEUS)のジェイソン・ボックス教授によると、海面上昇27センチという数値は、あくまで「最低限の保守的な見積もり」でしかないという。
というのも、この予測値は、あくまでこれまでに起きた気温上昇と、グリーンランドだけで失われる氷にもとづくものだからだ。将来的な気温上昇分や、それ以外の地域の氷は考慮されていない。