笛吹の少女から象部隊を錯乱させるラッパなど、古代から使用されてきた音響兵器の歴史 (4/7ページ)
マオリ族の「ハカ」、オスマントルコの「ヴルハー(攻撃)」、アラゴンの傭兵集団アルモガバルスの「デスペルタ・フェーレス(鉄よ、目覚めよ)」などなど、その掛け声は世界各国でバラエティ豊かだ。
古代ギリシャの兵士たちが剣を盾に打ち付けながら叫ぶ「アララ!」という鬨の声は、フクロウや怪鳥の群れの鳴き声に例えられていたという。
ローマの歴史家タキトゥスは、毛もよだつゲルマン民族の鬨の声について記している。それはただ叫ぶだけでなく、かなり演出されている。
ゲルマン民族の戦士は、鬨の声をより効果的にするために、まず低いつぶやきから始める。やがて大きな咆哮になると、さらに盾を口の前に掲げた。盾で音を反響させて、さらに大きく轟かせるためだ。
声の代わりに楽器が使われることもある。
ケルト人が使ったカーニクスという管楽器は、口を大きく開いた竜のような形状をしている。その長い青銅製の楽器から響く不気味な音に、ローマ兵士は恐れをなしたという。
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竜の形状をした楽器、カーニクス / image credit:dun_deagh / WIKI commons
紀元前50年頃、古代ギリシャの歴史家シケリアのディオドロスは、その音色について「戦争の騒乱にふさわしい」と記している。
これに苦しめられたローマ兵だが、彼ら自身も後にカーニクスを使用するようになった。