本なんて誰でもつくれる。だから、めちゃくちゃおもしろい。「これからの本づくり」のテクニックが満載。『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』9月24日刊行。 (3/5ページ)
出版業界がどんどん縮小しているのは事実ですから。
書店調査会社アルメディアによれば、2020年5月1日時点での書店数は11024店。ただし、この中には店舗を持たない本部・営業所も含まれているので、それらを除くと9762店となります。2022年現在はさらに減少し、おそらく9000店以下になっているでしょう。2000年には書店数が20000店以上だったので、20年かけて半分以下になったことになります。で、私はあと20年かけてさらに半減、つまり4000店以下になる可能性もあると覚悟しています。もしもそうなったら、今の流通(取次)や製造元(出版社)がそのままで済むわけがなく、ぺんぺん草も生えない状況になるに決まっているわけで……。
ただ、私がこの本で話したいことは、そういう出版業界の大きな話ではなくて、もっと
小さな、あなたや私の生活にまつわる話です。
だって、考えてみてください。出版という産業が斜陽だということは周知の事実なので、出版社への就職を希望する人は減るだろうし、いま大手出版社で働いている編集者も、優
秀な人は本づくりの現場から離れて版権管理部門などに異動していくでしょうから……こ
れってむしろチャンスじゃないですか?
どんだけポジティブやねん、と思われたかもしれませんが。
でも、逆張り精神でいけば、今からYouTube やポッドキャストを始めるくらいなら、あえて時代の流れに逆らって本のつくり方を覚えたほうが、過当競争もないので楽しく暮らせるのではないか。本づくりに取り組みたい人にとっては、むしろ今こそ始めるチャンスではないか。これまでの出版業界のやり方に染まっていない分だけ、今の時点では既得権もブランド力も持たない人たちが、これからの出版では活躍するのではないか。
本気でそう思っています。
既存の出版社や取次が大変なのは、縮小する出版物の売上でその大きな図体(社員数や
オフィス)を維持することが難しくなっているからです。
ということは、今から始める者の強みを生かして、書店の数が4000店以下になっても適応できるように、その市場サイズに合わせて面白い本をつくるテクニックさえ身につければ完璧じゃないですか。完璧は言いすぎか。