葬儀で唱える経典(天台宗 真言宗 臨済宗 曹洞宗 浄土宗 浄土真宗 日蓮宗) (1/3ページ)

心に残る家族葬

葬儀で唱える経典(天台宗 真言宗 臨済宗 曹洞宗 浄土宗 浄土真宗 日蓮宗)

葬儀に読経はつきものであるが、意味などまったくがわからずひたすら終わりを待っているというのが正直なところではないだろうか。葬儀の時、僧侶は何を唱えているのか。主要7宗派で読誦される経典の一部を抜粋する。

■密教系 天台宗 真言宗

天台宗は法華、密教、禅、浄土のすべてが含まれている総合仏教である。元々は「法華経」を至上の経典とした宗派で最澄(767〜822)によって日本にもたらされた。後に密教を深く学んだ弟子たちや、比叡山の神祇信仰などとの習合により現在の形になった。総合仏教だけあって扱う経典も非常に多いが、一般の信徒の葬儀では仏の生命の永遠不滅を説く法華経の「如来寿量品」、または極楽浄土の情景を描いた「阿弥陀経」。そして煩悩を払い極楽浄土へ導く「光明真言」が選ばれる。仏の存在、極楽の存在、極楽へ導く真言と、旅立つ死者に手向けるお経セットという感があり総合仏教にふさわしい。

空海(774〜835 )が開いた真言宗では「理趣経」を読誦することが多い。理趣経は欲望を肯定し生を賛美する大胆な経典である。死者に手向けるのは妙な気もするが、肉体のままで往生する「即身成仏」を説く真言密教ならではの選択である。さらに天台宗と同じ光明真言、阿弥陀仏の功徳を得られるという「阿弥陀如来根本陀羅尼」などの真言を唱える。真言を唱えることで死者はただの遺体ではなく、その身のままで仏になる即身成仏の境地に達するのである。

■禅系 臨済宗 曹洞宗

栄西(1141〜1215)が日本に持ち込んだ臨済宗、「無」の境地を目指す禅では、本来生も死も無い。禅における葬儀の意味は死後、仏弟子になること。参列者にとっては禅を学ぶ場でもある。葬儀では法華経から「観音経」、陀羅尼のひとつで「大悲呪」などが用いられる。いずれも観音菩薩の功徳が説かれている。

同じ禅系では曹洞宗でも観音経や大悲呪が読誦されるが、特徴的なのが宗祖・道元(1200〜53)の主著「正法眼蔵」の思想を平易にまとめた「修証義」である。浄土真宗の正信偈同様、宗祖の教えのエッセンスとして檀信徒が最重要視されている。なお、現代に伝わる仏式葬儀は曹洞宗が始めたものである。

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