葬儀で唱える経典(天台宗 真言宗 臨済宗 曹洞宗 浄土宗 浄土真宗 日蓮宗) (2/3ページ)

心に残る家族葬



■浄土系 浄土宗 浄土真宗

法然(1133〜1212)が開いた浄土宗は念仏を唱えることで極楽浄土に往生できる専修念仏の道を説いている。その教えは「浄土三部経」に説かれており、その中でも極楽浄土の情景を描いた「阿弥陀経」は旅立つ死者への案内となる。他には「発願文」が挙げられる。臨終を迎えるにあたっての心がけが説かれている。死は恐ろしい。しかし決して混乱・錯乱することなく極楽往生するように導くためのものである。もちろん僧侶参列者が一丸となって念仏を唱える「念仏一会」を欠かすことはできない。

浄土系でも法然の弟子の親鸞(1173〜1262)が開いた浄土真宗では毎朝の勤行や葬儀、法要の場で「正信念仏偈」(正信偈)を唱える。親鸞が主著「教行信証」から抜粋したもので、阿弥陀仏と念仏の功徳、7人の高僧の思想が説かれている。蓮如が毎朝の晨朝勤行に用いるようになった。コンパクトに親鸞の思想を学ぶことができる。蓮如の「白骨の御文」もよく唱えられる。「朝の紅顔、夕の白骨」の一文はよく知られている。文字通り人間の運命などどうなるかわからない。朝元気な顔をして笑っていても夕方には白骨になっているかもしれない。だから念仏を称えて「後生の一大事」に備えなさいという意味である。これはどちらかといえば参列者に向けてのメッセージに思える。

■日蓮宗

日蓮宗は法華経を至上の経典としているので当然法華経、そして「南無妙法蓮華経」の題目となる。日蓮が学んだ天台宗も本来は法華経至上主義であったのが総合仏教になったのに対し、日蓮(1222〜82)は法華原理主義といえる道を貫いた。葬儀では膨大な法華経の中から仏の永遠を説く「如来寿量品」、永遠の仏の働きを説く「如来神力品」、序章であり法華経前半の中心となる「方便品」などが選ばれることが多い。

■死者、生者の双方に向けられる読経

各宗派が葬儀、法要で用いる経典の極一部を挙げた。各宗派はさらに多くの派に分かれており(高野山真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派など)扱う経典も微妙に異なっている。

しかしそれぞれ特徴はあっても目的は同じである。少なくとも日本における大乗仏教では各宗派で解釈は異なるものの、死者の魂は死んでも滅ぶことはない。
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