「2023年こそ特撮」!!“超特撮芸人”篠宮暁「戦隊・ライダーは大河に並ぶ上質なドラマ! 世界一アクションしています!!」【日本人「特撮完全補完計画インタビュー#1】 (4/7ページ)
もう自分は大人になっちゃったので、フラットに観てるつもりでも、“前のあの感じに似てるな”とか邪念とかも入ってきてしまうんですが、子どもはそんなの関係なしに“カッコいい!”とか“どうなっちゃうの!?”とか、すごいピュアな意見があるので、そういう意見を聞いていて楽しいですね」
――子ども向け番組ではありますが、ストーリーがハイレベルで、たまに子どもには分からないシーンもありますよね。
「たしかにそうです。でも、よくよく考えたら自分が子どもの頃の作品も、“拉致されてしまう作品”がいくつかあったんです。おそらくそれらは、“中国残留孤児”とかがテーマに作られているもので」
(※中国残留孤児:戦後の混乱で親と別れて中国に取り残されてしまった日本人の子どもたちのこと)
――なるほど。
「子ども心に、“うわ連れ去られてる。めっちゃ悲しい……”って思っていました。当時はそれが何のモチーフかはわからなかったけど、“悲しい”だけ残っていて。大人になっていろいろな情報を知ってから見たときに“ああそういうことか”って。
でも、それ抜きにいまだに心に残っているということは、4、5歳の自分にとってかなり衝撃的な映像だったわけで……ただ、トラウマ的にこんな映像を残すのも、それはそれでいい気がするんですよね」
■「合わせなくても、子どもはしっかり見ているもんなんです」
―ー連れ去りの場面なども、けっこうハードでしたか?
「かなりハードですね。『スピルバン』(※)って作品があるんですけど、スピルバンはクリン星って惑星があって。ここに敵がやってきて滅ぼされるんです。
(※『時空戦士スピルバン』:1986年放送の特撮ヒーロー作品)
宇宙船で逃げるんですけど、どこの星に逃げればいいか分からない。宇宙をさまようなか、2か月くらいして、残りの食料も水もわずかになって。“この中で1人だけくじ引きで決めて、そいつだけ生き残らせよう!”となり、“ちょっと待ってください。子どもなら食料2人分いけます!”ってなって。