5月病で疲れた心を軽くする。公認心理士が解説するディズニー/ピクサー作品の魅力とは? (3/4ページ)

マイナビウーマン

私が日々クライエントさんとカウンセリングをする中で、『自分とは何か』『何のために生きるのか』といったことがテーマにあがる機会も少なくありません。まじめで一生懸命な方ほど、『生きる意味や目的を持っていなくてはいけない』という考えに縛られ、つらくなるように感じます。

しかし、人生とは本来こうでなければいけないとかこうあるべきといった正解はなく、それぞれにいろんな価値観があっていいものです。また、何かを成し遂げようとしなくても、私たちは一瞬一瞬を生きているだけですばらしいのだと。そんなことを再確認させてくれる作品だと思います。

周囲から浮かないように、学校や職場でうまく振る舞おうとして空回りしてしまったり、人生に目標や意味を見出せない自分に後ろめたさを感じてしまったりして落ち込んだ時に、ぜひ見てもらいたいです。

◇『ピーター・パン&ウェンディ』

アニメーションで見ていたピーター・パン新たな物語で描いた実写映画。大人になりたくない子どもたちがピーター・パンとともにくり広げる冒険の数々、ティンカー・ベルの魔法の粉によって自由に空を飛ぶ姿などがとても魅力的で、発表された当時はビデオが擦り切れそうになるくらい繰り返して見ていた記憶があります。こちらの作品は、これまでのピーター・パンのファンタジーな印象とは逆に、いい意味で現実的な一面も見られ、ピーター・パンに対してのこれまでのイメージが変わるような印象を受けました。

大人になることに葛藤を感じているウェンディ。心理学では、子供から大人の境目にいることを【モラトリアム】と呼びます。このモラトリアムの時期には、現実から目を背けようとしたり、あるいは人の意見に引っ張られる、方向性が定まらなかったりするなどの葛藤を覚えながら、『自分とはどういう存在なのか』というアイデンティティを見つけていくことが大切だとされています。ネバーランドでの冒険やさまざまな人との関わりを通して成長していくウェンディの姿は、かつてモラトリアムを乗り越えてきた私たち大人の姿と重なるものがあると感じました。

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