不安を作り出す「不安遺伝子」を抑制する物質を特定。新たな治療法の道が開かれる (2/3ページ)
こうした「不安障害」は、薬でや認知行動療法と呼ばれるカウンセリングなどで症状を和らげられることもある。
しかし不安を抱く人の脳内で何が起こっているのかはっきりしない以上、効果のある治療法を見つけるまでには時間がかかるものだ。
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・マウスの脳で不安遺伝子を抑制するブレーキを発見
不安を引き起こす脳内で何が起きているのかを理解するために、英エクセター大学をはじめとする研究チームはマウスを6時間拘束し、強いストレスを与え、そのときの脳を分子レベルで分析した。
すると、不安と関連する脳領域である扁桃体で5種類の「マイクロRNA(miRNA)」が増加していることが判明したのだ。
マイクロRNAとは、細胞内で働くべき遺伝子を決める手助けをする小さなRNAだ。
私たちの体はDNAに書かれた情報を元に作られている。だが、それを使う際は、DNAの情報をまずRNAに写し換えねばならない。これを元にタンパク質が作られることで、遺伝子は機能する。
マイクロRNAはこのRNA(正確にはメッセンジャーRNA)に結びつくことで、タンパク質を作る邪魔をするという役割がある。
不安を感じるマウスの脳内で一番たくさん見つかったのは、「miR-483-5p」というマイクロRNAだ。
そして、このマイクロRNAが「Pgap2遺伝子」と呼ばれる「不安遺伝子」の働きを抑えていることがわかった。マウスのストレス反応や、不安による行動が減ったのである。
つまり扁桃体の「Pgap2遺伝子」が働くと不安が大きくなるが、マイクロRNAの「miR-483-5p」はその働きにブレーキをかけているということだ。