この人、ウソっぽいな……。自己満足にならない「相手に伝わる話し方」とは【人を「惹きつける」話し方 #3】 (3/6ページ)
テンションや感情を使って情動的に話すことに気がいってしまうと、自分の中で“しっかりと伝えた”、“相手に伝わった”という自己認識が生まれます。しかしこのとき、聞き手は、まったく違う感想を持っています。
それは、「うわべで説明的でウソっぽいな……」です。
なぜか。それは、ここまででお伝えした、「なぜ話すのか?」に沿って考えるとわかってきます。
「胸のポジションの言葉」を発している理由はいったいなんでしょうか?それは「なんとかしてわかってもらいたい」「失敗したくない」「ちょっと、かっこつけたい」といった自分本位の考えです。
胸のポジションの言葉も、実は、発声と発想は一致していません。
なぜなら「発声」するときの「発想」が自分本位(エゴ)になっているからです。気持ちをたっぷり込めたつもりでも、実際には、“自分は伝わったと思うが相手はそう感じない”という主観と客観の大きな乖離を生み出しています。その結果、うわべで説明的でどこかウソっぽい自己満足の表現になってしまいます。
私は劇団四季のカリスマ浅利慶太さんに「感情を込めるな」と繰り返し教えられました。
感情を込めてしまうと、どうしても「胸」の意識になりがちです。エゴに近いこの「胸」の意識から生み出されるのは、自己満足の表現。聞いている観客は無意識のうちに冷めてしまいます。
劇団四季の厳しい「稽古」の世界を知っている私は、研修でビジネスパーソンのロールプレイング大会を見ていると、非常に多くの方が「胸のポジションの言葉」でやっているのを目の当たりにします。ロープレで「気持ちが込もっている」と褒められても、現場に行くと空振りした経験はありませんか?仲間内で慣れてしまうと、主観と客観の乖離が生まれ、初対面の相手に共感してもらえなくなってしまいます。
まとめると、自分は「伝わっている」と思ったのに対し「相手はそう感じていない」というギャップを生み出す可能性が高いのが、「胸のポジションの言葉」なのです。これでは、人を惹きつけることはできません。
◇「腹」の言葉が人を惹きつける
最後に、一番下の「腹」です。