この人、ウソっぽいな……。自己満足にならない「相手に伝わる話し方」とは【人を「惹きつける」話し方 #3】 (5/6ページ)
◇「どのポジション」か? で日常を観察しよう
私が、劇団四季での経験を活かして講師として生計を立てようと試行錯誤していた30代半ばごろのエピソードです。あるコンサルタントが、私に新規クライアント獲得を目的としたアプローチをしてきたことがありました。
そのコンサルタントが話しはじめたとき、私は言葉に説得力と重みを感じました。スクリプトを暗記して、知識を一方的に説明しているだけの頭のポジションの話し方をする人ではなかったのです。まさに「腹」のポジションの話し方をする方でした。
しかしです。いよいよ最後の「料金の提案」の場面になったとたん、突如、目がおどおど泳ぎだし、言葉が突如、浮足立ってきました。
断られたらどうしよう、料金が高いかもしれない、相手に悪いことをしているかもしれない……。こんな不安になったからかもしれませんね。心がうわずって胸のポジションの舞い上がった言葉しか出てこなくなってしまったのです。
寸前まで彼の言葉に惹きつけられていましたが、そこで私は冷めてしまい、結局提案をお断りすることになりました。
このように、言葉のポジションは仕事の結果に大きな影響をもたらすのです。
「腹のポジション」の言葉。これこそが、「発声と発想」が完全に合致している「人を惹きつける」言葉なのです。
ここまでお伝えした「頭のポジションの言葉」「胸のポジションの言葉」「腹のポジションの言葉」の意識で、まずは日常を観察してみてください。
コンビニの店員さんの「いらっしゃいませ」。 繁盛しているコーヒーチェーン店のお客さまへの挨拶「こんにちは」。 客室乗務員の声のかけ方「どうぞ、お声がけくださいませ」。 病院受付の「お大事に」。 結婚披露宴の司会者の「おめでとうございます」。 行政窓口の対応の言葉「お待たせしました」。
その他、結果を出している人のプレゼンや営業トーク。尊敬する人の言葉。授業やオンライン研修で講師が話す言葉。叩き上げの経営者の言葉……。
唱えていないか? うわべで説明的なのか? それとも実感しているのか。