「失われた30年」から抜け出すために企業が注目すべき「見えない資産」 (1/4ページ)

新刊JP

『「見えない資産」が利益を生む』著者の鈴木健二郎さん
『「見えない資産」が利益を生む』著者の鈴木健二郎さん

バブル崩壊後の「失われた30年」から未だに脱却できない日本だが、新興国の追い上げのなかで世界経済から取り残されつつある現状を変える活路は、案外さまざまな企業の中で、誰にも注目されることなく眠っているのかもしれない。

『「見えない資産」が利益を生む: GAFAMも実践する世界基準の知財ミックス』(鈴木健二郎著、ポプラ社刊)は、特許や商標権、ノウハウやブランド力といった、広義の「知財」を組み合わせ、活用することで新たな価値を生み出す「知財ミックス」を推奨。これこそが、日本経済が低迷から脱却するカギだとしている。

日本経済の低迷がここまで長引いた理由もまた「知財」と無関係ではない。「失われた10年」はなぜ「失われた30年」に延びたのか。そして、知財を活用して日本が蘇るために、企業はどんなことをすべきなのか、鈴木さんにお話をうかがった。その後編をお届けする。

鈴木健二郎さんインタビュー前編を読む

■日本企業再興のキーワード「知財ミックス」とは

――今回の本のキーワードとして「知財ミックス」という言葉が使われています。この言葉の定義を改めて教えていただければと思います。

鈴木:この言葉を使ったのは、最終的には「会社それぞれが独自のブランドや世界観を構築しよう」ということを言いたかったんです。

これもアップルの例がわかりやすいのですが、あのリンゴのロゴだとか、製品のデザイン、Macのパソコンの立ち上げ音、AirPodsのサウンドの技術など、ありとあらゆるところに知財が埋め込まれていて、それらがミックスされてアップルの世界観を作っています。この本の「知財ミックス」という言葉は、こうやって特許や商標、デザイン、ノウハウといった、「目に見えない資産」である知財を組み合わせることで独自のブランドを構築し、ファンを自社の世界観で包み込むことで収益を安定化し、価値を生み出し続けていくことを指しています。日本の企業にもこういう発想を持ってほしいと思っています。

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