人間の肘と肩は類人猿の祖先が木から降りるときのブレーキとして発達した (2/4ページ)
スーティーマンガベイには、それほど柔軟性はなかったが、チンパンジーは腕を頭の上に伸ばして、人間が梯子を降りるように木から降りることができるという。
こうした行動は、霊長類が重力によって下へ引っ張られるのに対して、落下を遅らせるための作戦だったのだという。
「チンパンジーもスーティーマンガベイも、関節を完全には伸ばすことなく、素早く木に登りますが、マンガベイは降りるときも同じような動きなのに対して、チンパンジーは違う動きをすることに気づきました」論文の共著者であるメアリー・ジョイ氏は語る。
「この二者の動きの稼働域が、まったく異なっていたのです」
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マンガベイ photo by Pixabay
・肘と肩が発達したのは類人猿とサルが枝分かれした後
ヒトとチンパンジーの祖先は、およそ600万年~700万年前に分かれ、マンガベイの先祖は約3000万年前に類人猿から分かれた。
しかし、本研究は、チンパンジーとヒトの最後の共通祖先の時代には、柔軟な外肢が進化していたものの、発達したのは類人猿とサルが枝分かれした後だったことを示している。
こうした柔軟性は、食べ物の収集、獲物を狩る、身を守るなど、特定の動きのために有利だったことが証明されている。
これは、大型類人猿がどのように体を使って木を降りていたのかを、研究者が初めて本格的に研究したことになる。これまでは、ほとんどが登るほうが中心の研究だった。
「チンパンジーは、肩と肘の可動域が広いのに対し、マンガベイはそうではないことがわかっていました」ジョイ氏は言う。