プエルトルコの洞窟でこの地に存在しないはずのライオンの壁画が発見される (2/5ページ)

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 島で壁画が描かれた時期をもっと正確に突きとめるのに、年代が絶対的に確定している考古学的文脈に空間的に近いかどうかをベースに、間接的に見積りが行われてきた。

 データ化されたほかの遺物に基づく遺跡の年代特定は、研究者が利用できるひとつのやり方だが、もっと具体的な方法もある。

 今回の場合、アコスタ=コロン氏ら研究チームは、炭素14年代測定という、もっと精度の高い方法に頼ることに決めた。

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年代が経るにつれ、洞窟壁画はただの幾何学模様から、このエイの絵のようにはっきりなんの動物かわかる詳細な絵へと移行した / image credit:A. Acosta-Colon

 まず、研究チームは、プエルトリコのさまざまな時代の古代の絵が描かれた60以上の洞窟のうち11箇所を選んだ。次に、謎のアフリカライオンを含め、使われた顔料のサンプルを集め、その絵がいつ描かれたかを特定する。

 絵そのものにダメージを与えないようにするため、顔料のサンプルを集める作業は、非常に慎重を要するものだった。

「壁画は無限ではなく、限られたものです。一度触れてしまえば、ずっと触れることになり、未来の世代に、私たちが見ているものを目にする喜びを与えてあげることができなくなります」

 ごく普通に見られ、それほど独特なものではないさまざまな絵をいくつか選んで、それぞれを描くのに使われている顔料サンプルを、およそ1ミリグラムか2ミリグラムずつ集めた。

 炭素14測定では結果が出ない芸術形式であるペトログリフ(エッチング)やパイログリフ(燃やした材料で描いたもの)とは対照的な顔料が使用された絵を対象として採取し、サンプルはトータルで61グラムになった。
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