「鉄の肺」ポリオを治療するために用いられた医療機器。現在もそれで命をつないでいる人も (1/6ページ)
[画像を見る]
image credit:public domain/wikimedia
「ポリオ(急性灰白髄炎)」は、ポリオウイルスにより感染する伝染病で、かつて世界でもっとも恐れられた命にかかわる病だった。
1940年代後半、アメリカでは毎年平均3万5000人がポリオに感染したと言われている。だが、ワクチンの普及により、今ではこの病気はほぼ根絶され、2019年のWHO(世界保健機関)の記録では、野生株ポリオの発症はパキスタンとアフガニスタンのみで、わずか175件だという。
感染者のほとんどは、ポリオにかかっても目立った症状は出ないが、重症化すると脳炎症状を引き起こし、呼吸困難となる。そこで開発されたのが巨大な金属製のタンク「鉄の肺」である。
そして現在も尚、鉄の肺で命を繋いでいるポリオサバイバーたちがいる。
・かつて大流行したポリオ
ポリオはポリオウイルスによるウイルス性感染症で、脊髄の灰白質(特に脊髄の前角)が炎症を起こす。