生首事件は史実、花山天皇の呪いの意味、北の方とは?大河ドラマ「光る君へ」3月17日放送振り返り (5/8ページ)
顔と腕と足がそれぞれ6つ)という異形の姿をしており、これは文殊菩薩が悪鬼を倒すために変化した姿と言われます。
チベットの伝承によると、この悪鬼は元々人間だったそうです。
今は昔、とある修行僧が盗賊たちに殺されました。永らく修行を重ねて徳を積み、ようやく大願成就する寸前で殺された怨みは凄まじく、僧侶は化けて出ます。
斬られた首が見つからないので、その辺にいた牛を殺してその頭を身体に乗せ、たちまち盗賊たちを皆殺しにしました。
しかし怨みと怒りのやまない修行僧は悪鬼と化してしまい、罪なき人々まで殺すようになったのです。
あまりの惨状を見かねた文殊菩薩は悪鬼を懲らしめるため、悪鬼以上に恐ろしい姿となって人々を救ったのでした。
という故事から、敵を呪い殺して悪縁を断ち切る象徴となった大威徳明王。その真言を唱えることで、一条天皇とその後ろ盾となった兼家一族を呪い殺そうとしていたのですね。
二人に配された北斗七星の意味劇中、一条天皇が召していた装束の背中には北斗七星があしらわれていました。
一方で、呪詛し損ねた花山法皇の数珠が散らばり、北斗七星を象(かたど)っていたのにお気づきでしょうか。
これは一条天皇が天皇大帝(てんのうたいてい)、花山法皇が北斗星君(ほくとせいくん)を表したものと思われます。
天皇大帝と北斗星君はともに北斗七星の神格化であり、前者は君主の象徴、後者は死や敗北を象徴する存在です。