偽の治療でも効くと思えば効く「プラセボ効果」の興味深い世界。色や値段で効果が変わる (3/6ページ)
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同様に、高価なワインを飲んでいると言われれば、まったく同じワインでも、安物のワインよりもおいしいとの感想が多くなる。
こうしたとき、たとえ科学的根拠のない思い込みであっても、その人は確かにおいしく感じており、”客観的な味”と”心で感じる味”を区別することはできない。プラセボにもこれと似たところがあるのだ。・痛みを伴う治療の方がプラセボ効果をアップさせる
プラセボ効果は薬だけのものではない。誰だってできることなら体を傷つけたくはないが、それでも手術や注射など、痛みを伴う治療法がよく効くと考えている人は多いだろう。
その思い込みがプラセボ効果をアップさせる。
オックスフォード大学のジェレミー・ハウィック氏によるThe Conversationの記事によると、同じプラセボでも「錠剤よりも注射の方が効果的という証拠」があるのだという。
生理食塩水の注射が砂糖の錠剤よりも効果的であるべき明白な理由はない。
それでも私たちは錠剤より注射の方がよく効くと思い込んでいるらしく、それがプラセボ効果を増幅させているようなのだ。
この認知バイアスは非常に強力で、場合によってはニセ注射の方が本物の薬よりも効果があることもある。
そして最強のプラセボ効果を求めるのなら、メスの出番だ。
たとえニセ手術だったとしても、きちんとした手術を受けたと思った患者の4分の3は症状が改善する。