偽の治療でも効くと思えば効く「プラセボ効果」の興味深い世界。色や値段で効果が変わる (1/6ページ)
[画像を見る]
「プラセボ効果」や「偽薬効果」は、 本当はなんの効果もないただの砂糖の錠剤だったとしても、よく効く薬として処方されると、本当に改善効果をもたらすというものだ。
実際に医療におけるプラセボ効果は単なる錯覚ではない。近年の研究により、プラセボ効果が有効な治療手段としての可能性を秘めていることが明らかになっている。
私たちの体は想像以上に心理的影響を受けているようだ。同じプラセボ(偽薬)でも、色やブランドイメージ、値段などで効果も変わってくるという。
ここではプラセボ効果の不思議な力を探っていこう。
・同じプラセボでも、色やブランド、値段によって効果が変わる
誰しも自分は物事の本質を知る深みのある人間だと思いたいだろう。だがプラセボの世界を覗き込めば、所詮人間は思い込みや、権威や人気に踊らされる生き物だということがわかる。
心理学者のクリスチャン・ジャレット氏によると、プラセボ(偽薬)の色やブランドイメージだけでその効果が左右されるという。
実際に青いプラセボはピンクのものより優れた鎮静効果を発揮するし、ブランド物のプラセボはノーブランドのものより良く効くのだ。
最も興味深いのは値段によってプラセボ効果が変わってくることだろう。
高価なものほど良いものに思えくるのは人の性だが、それはプラセボも同様だ。同じプラセボでも高価なものほどより効果的なのだという。